福井地裁が、大飯原発の運転差し止めを認めたそうです。
関係者の皆さんに「ありがとう」と「ごくろうさまです」を言いたいです。
フクシマの汚染のほとんどは陸地よりも海に流れましたが、もし福井県で同等の大事故が起これば、今度は全面的に内陸汚染となります。日本の風は、ほぼ西から東に流れているのですから。
にもかかわらず、大阪地裁は、昨年の同じような訴訟で近畿住民の訴えを認めてくれませんでしたし、その判断根拠も納得のできない内容でした。
(当時は該当の原発が稼働中だったので、裁判所も止めろとは言いにくかったのでしょうか。現在その原発は、定期検査で停止したまま半年以上が経過しています。)
それだけに、今日のこのニュースは本当に嬉しく思います。
先週から、漫画『美味しんぼ』における原発事故と鼻血の表現が社会問題になっていますが、この状況から思い起こされてならないのは、福島第一原発の爆発事故後二ヶ月間のニュースのありようです。
あのころ「不安を煽るようなことを言うな」という風潮がとても強く、自主避難さえもが「愚かしいこと」「恥ずかしいこと」という空気になっていました。
そんな中で、爆発後二ヶ月には飯舘村(30~40km圏)の避難が決まったという事実があります。
自主避難しなかった住民たちには、青天の霹靂でした。「不安を煽るな」「30km圏外は大丈夫」という話を信じ込んでいたのですから。避難計画の発表を驚きもし、避難そのものを嫌がりもし、ニュース記事の中には、まるで政府の避難決定を責めるような風潮さえ見られたものです。
それが現在「帰還困難区域」とされている地域の、当時の状況でした。
そんなふうに、原発関連の報道にはいつだって原発推進者や経済界の「安全だと思いたがる」ブレーキがかかっていますし、危険性が明言されるのは過去の出来事として終わってしまったあとなんだということを、私達はフクシマから学びました。
鼻血問題が本当に放射能のせいかどうか、断定はできませんが、日本の未来のために疑念は捨てるべきではありません。
私も、鼻血については当時ずいぶん調べました。
わかったことは、こちらの記事にまとめています。
現実問題として、福島県のみならず関東の農作物や魚介類にまだ集荷停止が続いているものもあるくらいですから、「放射能に関する知識」は隠すのではなく正しく知らしめるべきではないでしょうか。
白とも黒とも言い切れないにもかかわらず、「風評被害」という「国民の安全」より「経済優先」の概念で意見排除しようとする動きがあることには、一人の母親として怒りを感じます。
※出典・参考
[2014/05/21 15:16 朝日 大飯原発3・4号機の再稼働差し止め命じる 福井地裁]
[2014/05/21 15:13 毎日 大飯原発:3、4号機の運転差し止め 福井地裁判決]
[2013/04/17 東京新聞 大飯原発 停止認めず 大阪地裁 仮処分却下]
0 件のコメント:
コメントを投稿